狂気従容

軍事、歴史、宗教などを語ります。

コロナによる自殺者数の増加

コロナ禍の影響で、自殺者数が増加傾向にあるというニュースを目にする機会が増えている。実際どうなのか、昨年の同時期と比較すると、確かに増えている。

 

今年の1月から10月までの自殺者数は17,219人。昨年の1月から10月までの自殺者数は17,059人。160人増加している。出典は、以下の警視庁サイトから。

 

https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/jisatsu.html

 

一時期、コロナによる影響(危機の連帯感あるいは自粛効果でしょうか)からか自殺者数は減少していたが、8月以降、昨年の同時期を大きく上回る数値を記録してしまっている。経済的不安定性からか、コロナによる精神衛生の悪化からか、8月、9月、10月の自殺者数は昨年の同時期を大きく上回っている。10月に至っては、昨年が1,539人であったの対し今年は2,153人。約1.4倍の増加である。このペースが続けば、近年減少し続けていた自殺者数が、今年は増加に回ることだろう。

 

コロナによる影響はもちろん大きいだろうが、余裕の無い社会システムが、危機によってその脆弱さを露呈させたと見るべきだろう。以下の記事でも言及したが、コロナによる悪影響が、元々拡大傾向にあった相対的格差(物心両面)に拍車をかけているのだろうと思う。

 

https://kyouki-shouyou.hatenablog.com/entry/2020/11/08/171200

 

追い詰められたとき、持つ者と持たざる者が選別される。その過程で、どうにもならなくなった者が自殺する。極一部の者においては、テロのような破滅的な行動にでる。今の状況は明らかによろしくない。近い未来の景気・経済活動の悪化だけでなく、長期にわたる、傷跡を残しかねない。

 

先行きは暗いかもしれないが、ともかく、まずは生き延びよう。自殺以外のあらゆる選択肢をトライし、使えるサポートは全て使って、まずは生き延びよう。