狂気従容

軍事、歴史、宗教などを語ります。

コロナはテロを誘発する2(身近な動機)

殆どの人は忘れていると思いますが、2019年1月1日、高圧洗浄機を炎放射器に改造し、テロを計画した男が逮捕されています。以下事件のニュースリンク先。

 

https://www.fnn.jp/articles/-/9217

 

結果的には、高圧洗浄機が灯油を上手く吸い上げず、彼の計画は失敗しました。彼は、計画を変更し、かわりに車で通行人を無差別に8人轢きはねました。死者こそでなかったものの、大事件です。結果的に大量殺人事件にはなりませんでしたが、少し何かが違っていたら歴史に残る大事件になっていたことでしょう。

 

テロ事件において、銃器及び爆発物を除くと、もっとも人を殺してるのは放火です。お隣韓国では、2003年に地下鉄に放火し男が、結果的に192人を殺害する大事件が発生しています(大邱地下鉄放火事件)。

 

日本においても、2019年の京都アニメーション放火殺人事件(36人死亡)、2008年の大阪個室ビデオ店放火事件(16人死亡)と大量殺人の戦後ワースト記録を2度更新しています。世界においても、アメリカのハッピーランド放火事件(87人死亡)、デュポン・プラザ・ホテル放火事件(98人死亡)と凄まじい数字を残しています。

 

銃器及び爆発物を除き、この数字に肩を並べるのは、2016年フランスのニースで発生したトラックテロくらいではないですかね(86人死亡)。

 

例外的に、911のようなハイジャックに由来する事件や旅客機パイロットによる拡大自殺があるが、これは特殊なケース。一般人の手の届く範囲にある凶器、それがガソリンや軽油です。

 

車や暖房器具等、身近な場所で使用するので規制が難しいのが悩ましい。また規制したところで、片道切符のテロリストには、ほぼほぼ意味をなさない。身バレ心中上等の退路無き犯罪者に、身元証明や監視システムは有効に機能しない。今後も、放火による大規模テロは起こるでしょう。

 

テロに対してもっとも有効な対策は、福祉や教育分野を粛々と整備するしかなく、短期間で解決するのは困難だろうと思います。長い年月をかけて積み上げてきた社会矛盾を、魔法のように取り除くことはできない。

 

コロナはテロを誘発するだろうと最初の方で記事にしましたが、これまでの社会矛盾の決算として、時代変革期の象徴として、今後、大きなテロ事件が起きるだろうと考えています。

 

その時になって騒ぐのは、虚しいでね。コロナの有無に関係なく、相対的貧困率の増加、物心両面における格差の拡大は事実なわけですから。凶器が身近な場所にある以上に、貧困・格差が、テロの芽、動機が身近にあると。