狂気従容

軍事、歴史、宗教などを語ります。

創価学会員と立憲民主党

創価学会の会員が本気で立憲民主党支援に回ればそれなりの勢力を手にすることが出来るでしょうが、非常に難しいのが現状です。その理由を以下3つ示します。

 

1、公明党以外を支援する学会員は非常に少数である
2、民主党時代の学会批判を忘れない学会員が多い
3、立憲民主党支持者と学会員の相性が悪い

 

1に関しては殆ど説明不要だと思いますが、組織の打ち出しに唯々諾々を従うメンバーが圧倒的な創価学会で、公明党以外の政党を支援する会員は非常に少数派。ご存知の通りです。

 

2の「民主党時代の学会批判を忘れない学会員が多い」。これ、私は民主党の失策だと思っています。支持団体を狙い撃ちにすることの道義的な問題は別にして、選挙戦術と言う点で、民主党は短絡的かつ見当違いの方法を取ったと思っています。

 

理由は簡単で、学会(と公明党)を批判したところで(仮にそれが事実だとしても)、学会員の多くは公明党支援を辞めないからです。公明党は基本学会票で維持されていますが、学会員が公明党支援を放棄しない限り、公明党は一定の勢力を維持します。

 

政治や選挙に関心を持っている人物の学会・公明評価はほぼ固定的です。選挙や政治に興味を持っている人物が限定されている状態(投票率の低さが象徴的)で、学会批判は票に繋がりません。学会批判があっても無くても、公明票はそこまで大きく変化しません(今後は徐々に悪化するでしょうけど)。

 

また、公明候補のいない選挙区において学会票は「学会に都合の好さそうな政党の候補」に流れます(信濃町の指示が介在しますが)。民主党時代の学会批判は、結果的に、学会員の選挙区における自民党候補への投票を後押しすることとなりました(これは今も続く)。

 

「公明議員が選挙で消えても学会員は急には消えない」という非常にシンプルなことを見落としたか、ずっと勝ち続けることが出来ると判断していたか、あるいは学会批判をしてもいずれ取引できる(四月会で暴れた自民党が連立を組めたように……)と考えたのか。いずれにせよ失策です。

 

「熱心で活動的なマイノリティーを排撃し、より内側に狂信・教条的にした」と民主党の学会批判を総括出来るでしょう。

 

3番目の「立憲民主党支持者と学会員の相性が悪い」。これが一番大きな課題です。

 

立憲民主党の首脳部がここでもう一度創価学会批判を選挙戦略に策定したならば「無能集団」としか言えませんが(そしておそらく憲法は改正される)、支持者の方は「素直な思い」を口にしてしまうかもしれません。「公明党を無批判で支持する学会員、君らは間違っている」「学会は日本政治の癌だ」と。

 

その批判、逆効果です。前述したように、学会(と公明党)を批判したところで(仮にそれが事実だとしても)、学会員の多くは公明党支援を辞めません。

 

立憲民主党のサポーターが創価学会批判をすればするほど、立憲民主党学会票を取り込めなくなるでしょう。「今の公明党(と創価学会執行部)は支持できないが創価学会には愛着がある」と考えている人が投票を回避します。

 

学会組織に未練の無い会員で他党支持の方は躊躇わないかもしれませんが、「学会組織に未練の無い他党支持会員」なんて全体からみれば少数派です。

 

その辺りを本邦タカピーリベラルさん達が理解できるかどうか。「そも民主主義とは云々」と御高説の方々が「道でわざと転んで声かけてきた相手に投票依頼」とかやってきた集団を抱擁できるか。

 

創価票に固執せず、投票率の向上と無党派層への浸透を図る方が、ペイできそうな気もしますが、彼等にそれが可能かどうか。現状の野党は、ほぼ積んでいるのではないかと思ったり。