狂気従容

軍事、歴史、宗教などを語ります。

日本の犯罪傾向(コロナは犯罪も自粛させる)

近年、日本の治安はびっくりするほど良くなっている。昭和、平成前半に比べ、日本の犯罪件数は下がり続けている。

 

特に今年はコロナの影響だろうか、犯罪件数ダダ下がりである(喜ばしい話です)。以下、政府の統計データを引用紹介する。

 

今年1月から10月までの刑法犯の総数は、514,427件。元々、犯罪件数自体減少傾向にあったわけだが、コロナの影響からか、今年の下げ幅は特にすごいことになっている。H28年の835,078件と比べると約61.6%。4割近い減少である。昨年比でも約82.0%。18%の減少である。

 

重要犯罪に限定すると、今年1月から10月までの認知件数は7,487件。H28年の9,819件と比べると約76.3%。25%近く減少している。昨年比で約90.2%。10%近く減少している。

 

日本の治安は改善の一途である。今年に限れば、コロナによる各種制限は、犯罪まで自粛させている。

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出典:「犯 罪 統 計 資 料令 和 2 年 1~10 月 分 」

           (警察庁刑事局捜査支援分析管理官) 

 

 

ところが、重要犯罪の中身を見てみると、ちょっと違った見解を持つかもしれません。近年の件数を比較すると、強制わいせつと、強盗が大きく減少し、放火は微減。強制性交等が28年度比で増加(昨年比で減少)。殺人も微増(昨年比で減少)。略取誘拐・人身売買は増加傾向である。要は、重要犯罪が減少しというよりかは、強盗と強制わいせつが減少した。殺人や強制性交等はそこまで減少していない(むしろ微増の部分もみられる)。

 

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出典:「犯 罪 統 計 資 料令 和 2 年 1~10 月 分 」

           (警察庁刑事局捜査支援分析管理官) 

 

 

強制性交等の認知件数が増加しているのは、泣き寝入りする女性が減った(認知しやすくなった)という部分もあるでしょうね。

 

殺人事件の件数自体は、昭和期や平成前半に比べればかなり減少していますが、ここ数年は減少率が鈍っている状態です。この辺、自殺率にも似たようなことが言えるのでちょっと怖いですね。今年に限った話をすれば、昨年比で一応減少しているとはいえ、殺人事件や強制性交等のような犯罪はその他犯罪に比べ、コロナ禍による各種制約を受け辛いということですかね。