狂気従容

軍事、歴史、宗教などを語ります。

創価学会員物語2(婦人部の特異性)

 

前述した内容は、創価学会が独自に抱えていた物語ではありません。戦後日本社会に関連して紡いできた物語であり、戦後共有というシチュエーションです。

 


では、創価学会オリジナルのシチュエーションは存在するでしょうか?
幾つかあると思います。私が考えるに、日本社会と比較して一番大きな差異、創価学会独特のシチュエーション、それは婦人部の存在です。

 

創価学会は、本来ならば物語の大半を家庭の中で創る「専業主婦層(婦人部)」に、「学会活動」というステージを与えることで、「仕事と家族」以外の物語を展開させることに成功しました(勿論、専業主婦以外の婦人部の方もいます)。

 

男性にも「学会活動」というステージはあった訳で、婦人部だけが特別扱いされるのはおかしいと思われるかもしれませんが、「学会活動」に消費できる時間の総量が違います。昼間から活動できる婦人部は、物語を作る場として「職場と家庭」に対等な舞台として「活動」が追加されます。

 

世間の専業主婦の大半が家族の中で物語を作ってきた事を考えると、「学会活動」の存在はかなり特異的です。

 

「専業主婦層(婦人部)」に「学会活動」というステージを提供したこと。これは一般的な「日本社会物語」とは一線を画すストーリーを提供する下地になっています。

 

例えば、嘗て婦人部主体で行われた平和活動や反核運動は、一部の革新系団体のは別にして、一般的な専業主婦がそこまで熱意を捧げるテーマではありません。

 

また、婦人部(特に活動家)は、世間一般の専業主婦とは比較にならない程、他人の人生(家族・家庭)に干渉してきました。家庭訪問・談笑・相談・激励いうのは、婦人部の主要な活動の1つです。

 

そして何と言っても「選挙」アメリカの公文書にも、創価学会婦人部の選挙活動は言及されています。

 

https://wikileaks.org/plusd/cables/07TOKYO2947_a.html
の文章より以下引用。

The Women's Bureau is the primary get-out-the-vote machine for Soka Gakkai, and the ruling parties cannot win without their support. 
(婦人部は創価学会にとって最上位の投票推進運動機構であり、与党は彼女達の支援無しで勝利することは出来ない)

 

ちなみに文章のタイトルは以下の通り、
“LDP-KOMEITO COALITION LIKELY TO LOSE UPPER HOUSE MAJORITY”
(自公連立は参議院過半数を失いそうである)


標準的な日本の専業主婦は選挙活動に時間をつかいません。創価学会の婦人部は、選挙活動を通して独特の物語を創価学会にもたらしたと思います。

 

選挙活動含めた学会活動には、功徳を求めた部分、つまり「仕事と家族」の充実化という部分も大いにありましたが、活動そのものに物語(意味・価値)を見出している方も沢山いたかと思います。

 

創価学会オリジナルの物語、それは婦人部が中心ではないか?そんなことを考えています。また、もう1つ、創価学会オリジナルのシチュエーションに言及すると、本来ならばレジャーや趣味に時間を費やす青年層に「学会活動」というステージを提供したことでしょう。