狂気従容

軍事、歴史、宗教などを語ります。

創価学会の年間収入および資産について(シンガポール創価学会の会計報告からの推定)

 防衛費増額のニュースが大きく取り上げられ、旧統一教会関係の話題が減っていくことが予測される。防衛費を拡大することは、どの政党であっても選挙的にはマイナスにしかならない。これまで平和主義を掲げてきた公明党は、与党という立場もあって、大きなハンデになるだろう。

 

 さて、タイトルにあるように創価学会の資産について、出来る限りの推測をしてみよう。前回も引用したが、自公政権の間は情報開示が機能することはなさそうなので、

 

文化庁が宗教法人と交わした「裏約束」の正体 | 宗教を問う | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

 

自分で何か探すしかない。大手メディアも切り込まないとなれば、創価学会の財務や保有資産を客観的に検証することは困難であるかもしれない。しかしながら、何もしないよりかはいいだろう。ちなみにであるが、最近メディアに露出している数字としては以下のものがある。

 

創価学会マネーがコロナで縮小、「財務=お布施が激減」も?【危機(2)縮む経済力】 | 創価学会 90年目の9大危機 | ダイヤモンド・オンライン

 

 ダイアモンドの記事で引用されている、「自民党熊代昭彦衆議院議員(当時)が、「創価学会さんは10兆円の資産と毎年2000億円ないし3000億円の特別財務、それが全て無税扱いである」と指摘している。」の部分については、以下リンク先議事録で確認できる。

 

国会会議録検索システム

 

熊代氏の発言に対し国税庁は「個別の事柄に当たる」ことを理由に数字に関して何も答弁していない(これは創価学会に限らない話である)。また、秋谷元会長が国会で財務の金額を聞かれた際も、金額に関して否定も肯定もしていない(そもそも創価学会オフィシャルの発言では無い旨を述べている)。

 

国会会議録検索システム

 

創価学会のカネに関して、信頼できる数字を公的情報に求める困難さが示されていると思う。

 

 それでも何かないかと足りないお頭を捻らせたところ、海外組織ならば情報があるのではないかと思いついた。調べたところ、とりあえずシンガポール創価学会が会計報告を公開していた。以下、該当ページである。

 

SGS Annual Report 2021 (include Financial Statements) - Soka Gakkai Singapore

 

PDFには2021年のIncome(収入)が記載されている。年間の全収入が11,599,868シンガポールドル(S$)、その内Members' contributions(会員からの寄付=財務)が6,990,389S$となっている。日本円に換算すると(1S$は大体100円)、年間収入が約11億6千万円、その内財務が約7億円。現金及び銀行預金残高(cash and bank balance)が32,007,199S$で32億円。定期預金(fixed deposit with financial institutions)が55,273,152S$で55億円。資産合計(Total assets)が122,789,686S$で約123億円。内訳は、固定資産(Non-current assets)が34,825,142S$で約35億円、流動資産(Current assets)が87,964,544S$で約88億円となっている。

 

 SGIのHPによると、シンガポール創価学会の会員数は3万5千人とのことだ。

Singapore Soka Association—Promoting Harmonious Coexistence in the Lion City | Soka Gakkai (global)

 

日本の創価学会員の人数を350万人と想定するとシンガポール創価学会の会員数の丁度100倍となる。

 

創価学会の会員数について(圧倒的な少子化) - 狂気従容

創価学会の会員数について(統計データによる) - 狂気従容

 

単純に会員数=資産力と仮定して100倍すると、日本の創価学会の年間収入および資産は、以下のように推計できる。

 

年間収入:1100億円(その内財務が700億円)

現金および銀行預金残高:3200億円

定期預金:5500億円

資産合計:1兆2300億円(固定資産3500億円、流動資産8800億円)

 

 実際には、日本とシンガポールそれぞれの会員がどれだけ財務に熱心であるか、両国の経済レベルおよび物価(地価)、税制の違い等(日本とシンガポールで資産の定義が違うかもしれない)、考慮すべき項目が幾つもあると思う。しかしながら、それなりの金額が算出されたと思う。

 

 会館施設の規模および数から考えて、日本創価学会の固定資産は、シンガポールの100倍では済まないのではないかと思う。路線価から試算してみると、広宣流布大誓堂の土地だけで、40億円となる(820,000円/m2✖4,900m2)。

 

令和4年分 財産評価基準書 21032 - 路線価図|国税庁

 

太閤園の購入に300億円という報道が一部であったが、固定資産3500億円という推定は大分下方に外れている気がする。

 

 財務金額に関してはどうだろうか。日本の学会員の方が海外メンバーよりも財務に熱心だろうと私は考えている。シンガポール創価学会からの推定値では年間700億円であるが、1000億円を超えるのではないかと推測する。書籍や聖教新聞の売上があるので、収入に関しても100倍より多くなると予測する。全体的に上記推定値はかなり低い見積もりかもしれない。冒頭で触れた熊代氏は、

 

「我々が内々にいろいろ聞いたところでは、創価学会さんは不動産資産九兆円、流動資産一兆円というような堂々たるお力を持っておられるというようなことでございます」

 

と発言している。単純な計算であるが、流動資産8800億円という推定値は悪くないようにも思う(実際にはより複雑な要素が絡むだろう)。他地域の創価学会が会計報告書を公表しているならば、比較検討できるかもしれない。

 

 いずれにせよ、年間財務1000億円以上という数字は、まんざら過大な数字というわけでも無さそうである。